2002年8月。栃木・鬼怒川温泉で創立50周年記念大会が開催され406名が集まりました。10年後の60周年は財政事情により中止。15年後の65周年は地区ごとの開催。20年後の70周年はコロナ禍で中止。
最後の全国での創立記念から21年が過ぎましたが、福音は今も私たちに委ねられています。
天の故郷を目指す地上の寄留者としての生き方
創世記 23章1-20節
「ねえ、知ってる? 人生の引っ越し回数は平均4回」と語りかけてくるテレビCMを観て驚きました。そんなわけはない。もっと多いだろうと思ったからです。ちなみに私の場合は21回です。
アブラハムとサラの場合も、約束の地カナンを目指し、カルデアのウルを出てから、転々と居留地を変え、4回どころか数多くの引っ越しを繰り返しました。そしてヘブロンに住んでいたとき、最愛の妻サラが死んで彼女を葬るために墓地のための土地を購入しました。その際、自らの立場を「あなたがたのところに在住している寄留者です」と語っています。
アブラハムが地上の生涯で得た土地は妻を葬るための墓地の土地だけでしたが、土地の所有者であるヒッタイト人は、「あなたは、私たちの間にあって神のつかさです」と語っています。アブラハムが土地を持っていなくても、周りの異邦人たちはアブラハムを尊敬し、生ける神がアブラハムといつも共におられることを認めているのです。
どんな良い地に住んでも、あるいはどんなに立派な家に住んだとしても、私たちの地上の住まいは一時的な住まいでしかありません。神を信じる者たちは、帰るべき永遠のふるさとを持っているのです。信仰は、目で確認できない事柄であっても、神の真実により頼み、目に見えない宝を信じて、確信を持って生きることです。私たちは、信仰の父アブラハムのように、「地上では旅人であり、寄留者」(ヘブル11:13)ですが、生ける神と共に生きていることをあかしする生涯を送らせていただきましょう。
(岩松康宣師)