恵みの福音(2023年2月) 通巻655号より

第3回信徒聖書学校(1975年)
第3回信徒聖書学校(1975年)

 1973年に始まった新年の信徒聖書学校。参加者が100名を超えたため、この年は北海道(東日本)、本部(中日本)、熊本(西日本)の3箇所に分けましたが、それでも本部はこの人数!
 信徒聖書学校は形を変え、時には休みながらも続けられ、今年度で第35回となりました。

復活のイエスの「おはよう」(喜びがあるように)

マタイの福音書 28章9節

 みなさんは朝起きたとき、「おはよう」という挨拶を交わしていますか。この挨拶は朝を告げる清々しい挨拶です。私が小学生の時に、母は毎朝、いつも優しい笑顔で元気よく「おはよう」と先に声をかけてくれて、コミュニケーションの入り口である挨拶の大切さを私に教えてくれました。
 「おはよう」というイエスの言葉が出てくるのは、マタイの福音書だけです。復活されたイエスが、マグダラのマリアともう一人のマリアに語られた最初の言葉です。この「おはよう」という挨拶には、イエスの復活によってあなたにも人生の朝が来た!という祝福が込められています。この言葉は、ユダヤ人が交わす挨拶の「シャローム」ではなく、「喜びなさい」という意味のギリシア語の「カイレテ」が使われています。
 日曜日の明け方に、墓に葬られ、復活されたイエスの喜ばしい知らせを伝えるために、彼女たちは走って行きました。その行く途中でイエスは「おはよう」と言われたのです。マリアたちの喜びはどれほどだったでしょうか。
 イエスの復活は私たちにとっても大きな喜びです。この喜びを土台とした信仰によって、人生の深い悲しみの中にあっても慰めがあり、恐れや不安の中でも平安があり、失敗や挫折の時でも立ち上がる勇気が湧き上がり、希望に満ち、イエスの方に向きを変えてイエスと共に生きる生き方へ導かれて行くのです。「喜べ!」イエスが言われたこの「おはよう」という言葉には私たちへの深い愛が込められているのです。
 復活されたイエスの「おはよう」の言葉に、毎日励ましをいただきましょう。そして私たちも毎日、「イエスさま、おはようございます」と祈りのうちに告白し、新しい朝をくださるイエスとともに歩む素晴らしい日々を歩んでいきましょう(ピリピ4:4)。

(椿野僚子師)