1967年10月、日本で2度目のビリー・グラハム国際大会が開催され、10日間で延べ20万人の会衆と1万5千人の決心者が与えられました。
会場の日本武道館(最終日は後楽園スタジアム)に設けられたローア者席では手話通訳を通してグラハム師のメッセージを熱心に聴き、最初の晩に3名が決心しました。
大きな緑の木の下で
詩篇 23篇
旧約聖書の中で、多くのクリスチャンに親しまれているのが詩篇23篇です。私自身も、さまざまな試練に遭遇し、弱さを痛感させられた時など、「主の祈り」に合わせて詩篇23篇を唱えてきました。
ダビデは羊飼いでしたが、自分が飼っている羊の中に、主と自分の関わりを見ていたのです。2節には、「主は私を緑の牧場に伏させ いこいのみぎわに伴われます」と記されています。羊が飼われている日本の牧場と違って、荒野が多いイスラエルでは、「緑の牧場」のそばには「死の陰の谷」があり、羊は迷うことなく「緑の牧場」を渡り歩くことはできなかったのです。ただ、自分を守ってくれる羊飼いに従うことが、安全に生きる方法でした。さらに、羊飼いは敵の攻撃や洞穴に落ちた時も羊を救い出してくれる存在でした。
ダビデは、波乱万丈の自らの人生を振り返る時、順風満帆(緑の牧場)の時もあれば、死の恐怖(死の陰の谷)に怯える時もありました。しかし、どんな時にもいつも羊飼いである主がともにおられ、導いておられたことを思い起こしたのです。そして4節では、「たとえ 死の陰の谷を歩むとしても 私はわざわいを恐れません。あなたが ともにおられますから」と告白しています。
羊は、性質はおとなしいが、愚鈍で、近眼で迷いやすいとも言われています。主を忘れ、道を外れ、すぐに迷ってしまう羊は、私たちともよく似た存在です。イザヤ53:6には、「私たちはみな、羊のようにさまよい、それぞれ自分勝手な道に向かって行った。しかし、主は私たちすべての者の咎を彼に負わせた」とあります。羊を愛し、羊のためにいのちを捨ててくださった羊飼いである主イエスに従って生きることこそ、豊かに生きる道です。「死の陰の谷」を歩んでいるような現代ですが、主を仰ぎ見て全身全霊で従って行きましょう。
(岡﨑新一師)